変革に弱い日本人のDNA
農耕民族の日本人のDNAに埋め込まれているであろう村社会文化。掟や秩序、価値観を守ることによって、安定的に先祖代々繁栄してきた。それらの掟や秩序を破ると村八分や追放というリスクがあり、先祖代々住んできた土地に居られなくなったり、家族を養うことすら出来なくなる。
このスタイルを守り続けてきた日本人は組織的なカイゼンが得意だ。今まで積み上げてきた農法や生活習慣などの土台の上で、より良いやり方を考え出す。しかし根幹の部分を見直すことはしないし、常識を覆すような行動は良しとされない。家族を危機に晒す恐れのあることに敢えて踏み出そうとはしないのだ。変革に踏み込むのが苦手な日本人文化の源流とも言える。
狩猟民族である欧米人は、狩で失敗することを恐れない。失敗をすることは経験を積むことであり、多くの失敗をした方が早く狩りの成功にたどり着くことも多いと思う。失敗したら狩場を変えてまた新しいやり方に挑戦をすれば良いのである。いち早く大物を仕留めすることが重要で、それまでに何回失敗したかは問題ではない。この狩猟文化は、今までと異なるやり方を実践することを重んじ、狩猟民族を環境の変化に強い人種にした。守るべきしがらみが少なく、失敗を恐れない方が早く変革できるのだ。
さて、変革に弱い日本人がどうデジタルトランスフォーメーションに取り組むか。日本ならではの取り組み手法が今求められている。