デジタルトランスフォーメーション研究所

View Original

オリンピックをバーチャルパブリックビューイングで観るために

オリンピックの首都圏での無観客試合が決定

オリンピックの首都圏での無観客試合が決定したことが報道されています。個人的には、ずいぶん前に当選したチケットの権利を握りしめ、2021年への延期が決まった後も、現地観戦を楽しみに日々を過ごしておりましたので、実に残念です。

パブリックビューイングの価値

現地観戦したくてもできなかった人のために、バーチャルパブリックビューイングの仕組み作るとするとどんな要素が必要だろうか? まず、パブリックビューイングの本質的な価値を考える必要があります。

「観戦に行けないならパブリックビューイングでみんなで応援しよう」という発想がNGとなってしまう今回の状況ですから、どうやって、パブリックビューイングの価値をバーチャルに実現しようかということがテーマであり、パブリックビューイングの本質的価値が何かに立ち戻って考える必要があります。

そこでは、ちょっとした感想や気づきを周囲の人と共有できることが、単独で視聴するよりずっと高い体験価値となります。また、その場に居合わせた人との交流も大きな価値だと思います。それが国をまたがった国際交流であれば、世界の人がよりつながることにも貢献しそうです。団体競技などでは、応援するファンごとのパブリックビューイングも可能です。

バーチャルパブリックビューイングについて

イメージに近いのは、ニコニコ動画やYoutubeで実現しているコメントを画面に流す仕組みですかね。でももう少し管理された感じにしたいしチャットでなく、声で共感したかったりしますよね。また一緒に応援している人の姿や顔や反応が見れることもパブリックビューイングの価値なので、一緒に応援する人の映像や声が共有されることも重要ですよね。

そうすると、facebook の動画ウォッチングパーティやzoomの動画共有機能が近いですね。でも、この場合、テレビやCATVで放送されても、インターネット配信できない競技は権利関係以前に技術面で対象に出来なさそうです。

次に考えるのは、視聴とパブリックビュイングのチャネル分離です。主張についてはそれぞれの視聴者が自分の好きなチャネルで自分自身の視聴権利を使って視聴すれば良いことであって、それとは別に別途ビューイングする人同士をつなげる音声と映像のチャンネルがあれば良いと言うことになります。チャネルごとの放送時差や中計する競技の差異(同じ柔道だけど、同時進行しているどちらを放送するかはチャネルの判断が入る、また生中継でなく録画で流す場合もある)もあると思うので、どのチャネルで視聴するかというルール決めは必要かもしれない。

ただ、全参加者がちょっとした感想を自由に共有できることが、単独で視聴するよりずっと高い体験価値となります。また、ルームに入ったメンバーの中で、特にその競技に詳しい人が選手や選手の家族などがいれば、管理者がその人だけに発言権を与えて、解説してもらうなども可能となるでしょうし、ここでの情報が元のの放送の解説より価値があることも起こり得るでしょう。結果的にこのようなデジタルの力を借りることによって、アナログのパブリックビューイングではできなかったことを実現できます。

その際に問題になるのはコントロールです。全員発言できるモードにしたり、不快な発言する人を退室させたり、雑音をミュートにしたり、知識のある人に発言権を与えたり、そもそもの当該バーチャルパブリックビュイングの趣旨と管理方針を決めて公開する企画管理者が必要でしょう。団体競技であれば応援したい国ごとのビューイングもありでしょう。

これらの管理者がそれぞれ違うツールを使っても良いと思います。clubhouseでの音声主体のパブリックビュイングも出来そうです。音声だけのルームも音声と画像のルームもあるし、視聴チャネル(NHK総合、CATVなど)やパブリックビューイングチャネル(ZOOM、Clubhouse、Google Meetなど)や発言管理方法(音声かチャットか両方か、音声は指名された人だけか常時全員かなど)、入場可能な人数を管理者が決定してその方針に賛同する人が参加する形式が自由度が高くて、カバー率が高そうです。同じ種目でたくさんのビューイングが立っている場合は、管理者さんへの信頼で判断する場合もあると思いますので、レビューが多少つけられたほうがよいかもしれません。

広島県では、湯崎知事の元、ひろしまサンドボックスプロジェクトの中で県民が一緒にスポーツ観戦する仕組みなど、いろいろすでに試みられているようですので、この分野オリンピックに限らずニーズありそうですね。

ということで、管理者さんがビューイングを企画して基礎情報を登録できて、視聴者は自分が参加したいバーチャルパブリックビューイングを見つけて参加し、管理者さんが視聴者の中で悪質な人をブロックし、視聴者が管理人さんを評価する場程度のものを作れば、後は何とかなりますかね? 課題は人数制限がコントロールできない(URLがわかるといくらでも入れちゃう?)とか、レビューつけても本人認証の仕組がないと、あまり意味がないことですかね。

何ができるか少し考えてみます。よいアイデアをお持ちの方、ご協力いただける方いらっしゃったらお声かけください。