DXナレッジ診断は、デジタルトランスフォーメーション研究所が7年にわたり蓄積してきた実践的知見を基に作成されています。
本ページでは、課題図書『1冊目に読みたいDXの教科書』のエッセンスから、DX(デジタルトランフォーメーション)推進において直面しやすい重要な15のテーマをピックアップしました。
自社の状況と照らし合わせながら「問い」に対する「解説」を読み進めることで、あなたのDX実践力を測り、思考力を養ってみませんか?

著者公式『1冊目に読みたい DXの教科書 (なるほど図解)』紹介ページ
最難関とされる「組織全体の機運醸成」や「人材育成」にも活用できます。
目次
- 1 ケースで学ぶ DXナレッジ診断(全15問)
- 1.1 Q1. 「DXの目的」を見失っていませんか?
- 1.2 Q2. 「IT化」と「DXにおけるデジタル化」の違いとは?
- 1.3 Q3. DXにおける「変革」とこれまでの「改革」はどう違う?
- 1.4 Q4. 時代遅れの「経営資源」で戦っていませんか?
- 1.5 Q5. 「部分最適」のワナ。全体最適で労働生産性を高めるには?
- 1.6 Q6. なぜ、あなたの会社のDXは進まないのか?
- 1.7 Q7. 未知の価値を発見する「ビッグデータ」の4つの特徴とは?
- 1.8 Q8. 業界のルールが一変する「ディスラプション」の3つの引き金
- 1.9 Q9. 「プラットフォーマー」の脅威に、既存企業はどう対抗すべきか?
- 1.10 Q10. 「モノ売り」から「コト売り」へ。リアル商品をデジタルで包み込む
- 1.11 Q11. 商品を「サブスク」で提供する真のメリットとは?
- 1.12 Q12. 過去の成功が足かせに。「サクセストラップ」をどう乗り越えるか?
- 1.13 Q13. 顧客の「潜在的な不満」を見つけ出す「カスタマージャーニー」
- 1.14 Q14. DX推進の最大の難所「組織行動の変革」を誰が突破するのか?
- 1.15 Q15. 新しい行動を促すための「評価指標(KPI)」の再設計
ケースで学ぶ DXナレッジ診断(全15問)
Q1. 「DXの目的」を見失っていませんか?
【問い】
あなたの会社で「DXを推進しよう!」という号令がかかりました。しかし現場からは「ペーパーレス化」や「業務システムの導入」といった提案ばかりが上がってきます。本来、DXが目指すべきゴール(目的)とは何でしょうか?
【解答例・解説】
DXの本来の目的は「環境の変化に対応し、中期的に企業価値を高めること」であり、そのために「価値や製品、サービスの提供の仕組みを変革すること」です。単なる「デジタル化」は手段や準備段階に過ぎません。
【該当項目】第1章 1-1 DXのはじまり
Q2. 「IT化」と「DXにおけるデジタル化」の違いとは?
【問い】
DXの第一歩として「デジタル化」を進めることになりました。「書類をペーパーレスにする」ことをデジタル化だと考える人が多いですが、DXにおいて真に求められる「デジタル化(D)」の条件とは何でしょうか?
【解答例・解説】
DXにおけるデジタル化とは「データを活用できる状態」にすることです。蓄積されたデータがネットワーク経由で取り出せ、汎用フォーマットであり、価値や意味のある情報を含んでいる必要があります。
【該当項目】第1章 1-4 “DXのD” デジタルとは何か
Q3. DXにおける「変革」とこれまでの「改革」はどう違う?
【問い】
従来の業務改善やIT導入といった「改革」と、DXが目指す「変革」には決定的な違いがあります。その違いとは何でしょうか?
【解答例・解説】
従来の改革が「現在の自社課題の解決(事業オペレーションの最適化)」を目的とするのに対し、DXの変革は「デジタル技術を活用して『顧客に提供する価値』や『提供の仕組み』を変えること」を目的とします。
【該当項目】第1章 1-5 “DXのX” 変革とは何か
Q4. 時代遅れの「経営資源」で戦っていませんか?
【問い】
従来の経営資源は「ヒト・モノ・カネ」でした。デジタル時代における新しい経営資源は何に変わっていくでしょうか?
【解答例・解説】
新しい経営資源は「データ・コト・ジカン」です。「ヒト」の知見や顧客行動は「データ」へ、「モノ」の所有から体験価値を高める「コト」へ、そして費用対効果だけでなく開発スピードなど「時間」対効果を意識することが重要になります。
【該当項目】第1章 1-13 経営資源はヒト・モノ・カネから変わる
Q5. 「部分最適」のワナ。全体最適で労働生産性を高めるには?
【問い】
業務の一部を自動化しましたが、組織全体の生産性が上がりません。デジタル技術で生産性を最大化するにはどうすればよいでしょうか?
【解答例・解説】
部分的なデジタル化ではなく、デジタル技術を前提とした業務プロセスの「全体最適化」が必要です。たとえば行政手続において、各自治体での部分最適ではなく国全体での共通システム化が求められるのと同じで、既存制度を見直すトップのリーダーシップが不可欠です。
【該当項目】第2章 2-2 労働生産性の改善は喫緊の課題
Q6. なぜ、あなたの会社のDXは進まないのか?
【問い】
DXを推進しようとしても、なかなか進みません。日本企業においてDXを遅らせている特有の要因は何でしょうか?
【解答例・解説】
企業トップの高齢化と過去の成功体験への固執が要因の一つです。デジタル技術を前提とした新しい競争の原理への理解不足があるため、トップを含め世代を問わず「リスキリング(学び直し)」を行う必要があります。
【該当項目】第2章 2-9 日本ではなぜDXが遅れているのか
Q7. 未知の価値を発見する「ビッグデータ」の4つの特徴とは?
【問い】
ビッグデータが価値を持つ理由として、4つの「V」から始まる特徴があります。それは何でしょうか?
【解答例・解説】
量(Volume)、多様性(Variety)、速度(Velocity)、正確性(Veracity)の4つです。これらにより、人の能力では考慮しきれなかったデータから、既成概念にない新しい知見や法則を発見できるようになります。
【該当項目】第3章 3-4 未知の概念や知見が埋蔵されている「ビッグデータ」
Q8. 業界のルールが一変する「ディスラプション」の3つの引き金
【問い】
デジタル技術を活用した画期的なサービスが業界を破壊的に再編する「ディスラプション」には、主に3つの発生メカニズムがあります。何でしょうか?
【解答例・解説】
リアル商品がデジタル化する「転換」、リアル商品をデジタルサービスの一部に組み込む「包含」、商品販売と購買支援を分ける「分離」の3つです。
【該当項目】第4章 4-2 ディスラプションの発生メカニズム
Q9. 「プラットフォーマー」の脅威に、既存企業はどう対抗すべきか?
【問い】
Amazonなどの巨大プラットフォーマーに対し、既存企業はどのように対抗すれば生き残れるでしょうか?
【解答例・解説】
自社の「コアコンピタンス(強み)」と、プラットフォーマーの「未充足分野」の接点を探ることが鍵です。Walmartのように、生鮮食品を手に取って選べる実店舗の強みを活かし、ECと融合させて新しい体験価値を提供するなどの対抗策があります。
【該当項目】第4章 4-5 プラットフォーマー対抗勢力の出現
Q10. 「モノ売り」から「コト売り」へ。リアル商品をデジタルで包み込む
【問い】
リアル商品を販売するだけでなく、デジタルサービスに組み込んで顧客に大きな価値を提供する戦略を何と呼ぶでしょうか?
【解答例・解説】
「包含戦略(OMO)」と呼びます。例えば、エアロバイクをオンライン化して目標管理やレッスンを提供したり、体組成計を健康管理サービスに繋げたりして、単なるモノ以上の広範囲な体験価値(コト)を提供します。
【該当項目】第5章 5-3 商品をデジタルで包み込む事例(包含戦略/B2C)
Q11. 商品を「サブスク」で提供する真のメリットとは?
【問い】
商品を売り切りではなく、サブスクリプション(定額利用)で提供することで、企業と顧客の関係はどう変化するでしょうか?
【解答例・解説】
販売における企業と顧客の利害対立が、信頼関係に変わります。顧客が離脱しないよう継続的なサポートを行うため、店員は最適な利用を支援するパートナーとなり、結果的にエンゲージメントが高まります。
【該当項目】第5章 5-8 商品をサブスクで提供する事例(サブスク戦略)
Q12. 過去の成功が足かせに。「サクセストラップ」をどう乗り越えるか?
【問い】
新しい価値創造に挑戦しようとしても、社内で評価されず進まない現象を何と呼び、どう乗り越えるべきでしょうか?
【解答例・解説】
これを「サクセストラップ」と呼びます。過去の成功体験から作られた評価手法や常識が、新しい行動を阻害します。乗り越えるには、事業環境の変化を学び、従来の社内常識が今でも正しいか客観的に判断する力が必要です。
【該当項目】第5章 5-1 「顧客体験」をデジタル戦略で全体最適化する
Q13. 顧客の「潜在的な不満」を見つけ出す「カスタマージャーニー」
【問い】
顧客が商品を購入し利用する一連の流れを可視化し、潜在的な課題を発見するために使うフレームワークは何でしょうか?
【解答例・解説】
「カスタマージャーニーマップ」です。顧客の行動を旅に例え、各ステージの不満(課題)を整理することで、リアルとデジタルの両面から最適な解決策(顧客体験)を設計できます。
【該当項目】第6章 6-2 最適な顧客体験の設計に使う「カスタマージャーニーマップ」
Q14. DX推進の最大の難所「組織行動の変革」を誰が突破するのか?
【問い】
DXの最大の難所は「組織行動の変革」です。これを突破するために欠かせない存在は誰でしょうか?
【解答例・解説】
「経営トップ」です。業務手順、ルール、評価制度といったマネジメントの仕組みを一新するには、トップ自身が危機意識を持ち、自身の言葉で組織に変革の方向性を示す強いリーダーシップを発揮する必要があります。
【該当項目】第7章 7-1, 7-3 経営トップを起点として危機意識を高める
Q15. 新しい行動を促すための「評価指標(KPI)」の再設計
【問い】
DXでビジネスモデルを変えたのに、社員の行動が変わりません。何を再設計する必要があるでしょうか?
【解答例・解説】
「評価指標(KPI)」です。例えば一括販売からサブスクに移行した場合、単発の売上金額で評価し続けるとサポート活動がおろそかになります。あるべき行動(継続的サポートなど)を評価できるようKPIを見直す必要があります。
【該当項目】第7章 7-9 あるべき行動を支援する評価指標の設計

株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所
代表取締役/DXエバンジェリスト
DX推進・企業変革の専門家。豊富な現場経験と実践知をもとにコンサルティング、企業研修、講演活動を行う。
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