DX入門書の出版を通じて書籍のDXに挑戦

このたび、SBクリエイティブよりDX入門書『なるほど図解 1冊目に読みたいDXの教科書』を執筆いたしました。本書は7月21日からAmazonなどで予約注文を受け付け、9月26日に単行本および電子書籍を同時刊行します。DX初心者の方が体系的に学べるだけでなく、世界初の「書籍のDX」を実現することを目指しています。

読者向けのデジタル付録に加え、予約注文者限定のデジタル特典もご用意しています。ぜひご予約のうえ、ご活用ください。

書籍のDXとは、書籍の本質的な提供価値が最適化されること

書籍のDXのイメージ

書籍のDXのイメージ

従来の書籍は紙に印刷され、著者から読者へのメッセージは一方通行でした。また、印刷物は性質上、リリース後にデジタルコンテンツやソフトウェアのような改訂ができません。しかし、DXを学ぶ方に必要な知識を届けるには紙の書籍が不可欠だったため、今回はあえてアナログ媒体として執筆しました。

本書は紙媒体に加えKindleでもお読みいただけます。図版が多いため紙面用に最適化していただきましたが、Kindleでは視認性が若干劣る可能性があります。また、Kindleを「デジタル」と考える方もいらっしゃるでしょうが、私の定義では双方向のコミュニケーションが取れず、リリース後の改善もできず、さらにコンテンツの引用やコピーが大きく制限される点でデジタルとは言えません。実際、Kindleでは一定量のテキストをハイライト抽出できますが、量的制約があるため社内資料やレポートでの引用・図版の活用には十分ではありません。

書籍である以上、出版の仕組みや紙の制約は避けられませんが、可能な限りデジタル要素を取り入れ、「出版後に価値が高まる書籍」を目指しました。手に取りやすい紙のフォーマットをベースに、DXの本質的な価値提供がさらに進化するきっかけになれば幸いです。

ここからは、私たちが実際に取り組んだ方法をご紹介します。

取組み1:コンテンツの一部のダウンロード

本書では多数の図版を用い、読者の理解を視覚的にサポートしています。特にデジタルコンテンツとして活用いただきたいフレームワークや一部ポンチ絵は、ダウンロード可能なデジタル付録としてご提供します。本デジタル付録は通常有料ですが、予約注文者には無料で配布します。このようなフリーミアム戦略を取り入れられるのも、デジタルならではの利点です。

取組み2:異なるチャネルへの展開

書籍の理解をさらに深めるため、各ページを動画で解説する有料コンテンツを用意します。書籍の学びを立体的に深められるだけでなく、各動画にコメントを付けることで他の読者の反応や疑問を共有できると考えています。

取組み3:理解度チェックテスト

読者が本書での学びを振り返るための工夫として、理解度チェックテストを用意しました。世の中にはDXスキル診断テストなどが増えていますが、客観的に正解を設定するのは難しく、正誤が判定しやすいものの本質的ではない事項がテーマになりがちです。それではせっかくの理解度チェックの価値が下がってしまいます。今回のテストは、本書の共通理解をベースに作成しているため、DXに関わる方にとって最も本質的な部分をテーマにできます。

さらに、組織単位で本書を読んでいただき、DXに関する認識や用語の統一化を図ることも想定しています。そのため、理解度チェックテストを組織全体で受講し、部署・役割ごとの傾向を把握して対策を検討するツールとしても活用する予定です。

取組み4:読者コミュニティ

双方向のコミュニケーションを実現し、「出版後にも価値が高まる書籍」を目指すため、読者と著者が交流し、質疑応答や意見交換ができる有料コミュニティを設置します。ここでは、読者の疑問や意見をもとにコンテンツを随時アップデートしていきます。ただし印刷された書籍自体はバージョンアップできないため、追加・修正分はコミュニティ内で共有する形式を想定しています。

また、このコミュニティはDXに取り組む方々が課題や悩みを共有し、解決策を共に考える場を目指します。その際の共通言語として、本書で紹介した用語や戦略パターンが参加者全員の基盤になることを期待しています。

本書籍の価値はDXに関する情報の体系化

本書籍は、これまで様々な個別組織の支援や事例講演、文献などから得たDXの専門知識を、入門者にもわかりやすい平易な言葉で解説しています。また、日本のDXを成功させるために各所に散在する情報を体系的に集約し、初めて学ぶ方でもスムーズに理解できる構成にしました。

図や各種フレームワークを用いて視覚的に理解を促し、皆様がDXに関する正しい理解を深める一助となれば幸いです。

DX提唱者のエリック・ストルターマン教授も推薦

世界で最初にDXを提唱したエリック・ストルターマン教授

世界で最初にDXを提唱したエリック・ストルターマン教授

弊社エグゼクティブアドバイザーでもあり、2004年に世界で最初にDXの概念を提唱されたエリック・ストルターマン教授は、日本でのDX成功事例を増やすため、常に弊社の研究を支援してくださっています。また、本書の主旨に強く賛同いただき、序文をご執筆いただくなど、多大なるご協力を賜りました。本書はストルターマン教授が関与された日本初のDX書籍でもあるため、DXの起源から詳しく解説しています。

文字数の制約で盛り込めなかった内容も多々ありますが、本書が皆様にとって価値ある一冊となることを心より祈念しております。

執筆者:デジタルトランスフォーメーション研究所 代表取締役 DXエバンジェリスト 荒瀬光宏|

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