「DX時代の問題解決研修」は、ITスキル系の生成AI研修だけでは身につかない、「ビジネス課題解決のための生成AI活用ノウハウ」を実践を通じて学ぶワークショップ型研修です。

「DX時代の問題解決研修」の特徴

  • MBAの経営理論 ― 王道の問題解決プロセス、最新の経営理論をベースにしたビジネス課題解決の基本レクチャー
  • ビジネス課題×生成AI ― 各問題解決プロセスで、フレームワークを使った生成AIの活用ポイントをデモも交えて解説。あわせてサンプルプロンプトを提供
  • 実テーマのワークショップ ― 具体的な組織課題テーマを元に、生成AIの支援を受けつつワークショップ形式でグループワーク
  • 理論×実践経験豊富な講師 ― MBAホルダー、かつビジネス課題解決への生成AI活用経験豊富な講師が、経営理論と生成AI活用方法の両面からレクチャー、およびワークショップフォロー

生成AIをビジネス課題解決に活用することのメリット

精度の高い分析、解決仮説が出せる

生成AIは、基本的な経営理論を理解しており、高度な論理力を備えています。最初から、論理的で精度の高い分析案、解決策案を出すことができます。

アイデアの多産多死が容易(アイデア量の確保)

良い分析、良い解決策を出すには、最終的には使わないアイデアも含めたくさんの候補を出すことが重要です。アイデアの量は質に転化します。
しかし、突飛なアイデア、使わないアイデアを出すことは労力的にも精神的にもしんどいもの。生成AIなら、捨てることになるアイデアを10個も20個も不満を言わずに高速に考えてくれます。

問題解決プロセスの高速PDCAができる

頻繁に仮説検証を行う高速PDCAはDX時代に必要な組織能力です。生成AIを使うことで、問題定義>問題特定>解決策立案のプランニングプロセスを低労力、短時間で1周することができます。ビジネスの現場では、リソース制限から人力で問題解決プロセスを何度も行うことは困難です。生成AIを徹底活用することで、問題解決プロセス全体を何度も回すことができます。

 

「DX時代の問題解決研修」実施要項(期間/形式)

  • 期間:1回~2回(1回当たり、半日から1日)
  • 形式:リアル、またはオンライン
  • 研修環境:ワークショップ中に、受講者がChatGPTやGeminiなどの生成AIを活用できるパソコン環境、生成AIの画面をグループワークで共有できる環境があること

 

「DX時代の問題解決研修」担当講師

株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所 代表取締役 荒瀬光宏の写真

株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所 代表取締役 荒瀬光宏

荒瀬光宏(株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所 代表取締役/DXエバンジェリスト)

慶應義塾大学法学部、グロービス経営大学院、日本政策学校卒。日本初のDX専門研究機関である株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所創設者。国内外の多くの企業および地方自治体のデジタルトランスフォーメーション(DX)を研究してきた立場から、DX成功の要諦について実践的なノウハウを所有する。組織の5年後、10年後の環境認識をベースに将来のあるべき姿、経営戦略を検討し、その戦略を実現できる組織体制、文化、マネジメントへの変革を図る全社変革プロジェクトを得意とする。

 

問題解決プロセスとは

ビジネス課題の問題解決プロセスは、大きく4ステップに分けられます。

DX時代の問題解決研修:問題解決プロセス(全体図)

問題解決プロセスの全体像(What→Where→How→Execute)

世の中の問題解決プロセスには、いくつかのバリエーションがあります。ここでは「組織内で納得感が醸成しやすく、生成AIも深く学習している可能性が高いシンプルな枠組み」の採用をおすすめします。
問題定義(What)>問題特定(Where)>解決策立案(How)>実行(Execute)
なお、研修のワークショップでは最後の実行を除くプランニングの3ステップを扱います。

1.問題定義(What)

まずは取り組むべき問題を明確化します。特に、ビジネス課題を組織的に解く場合は、取り組むべき問題を誤解のないよう言語化し、関係者で「そもそも何が問題か?」の共通認識をつくる必要があります。言語化の際には、関係者が納得しやすい問題定義のフレームワークをつくることがおすすめです。

2.問題特定(Where)

問題を定義し、組織で解くべきビジネス課題を合意したあとは、問題点を特定します。つまり、「どこが問題か?」考えます。問題特定は、簡単にいうと「分けること」と「選ぶこと」です。

分ける(問題の分解)

まず、起きている問題を分解します。問題解決の定番の枠組みは、ロジックツリー。顧客課題の分解ではカスタマージャーニーが有効です。

選ぶ(重要課題の選択)

分解した問題から評価軸を決めて、解決すべき特に重要な課題を特定します。リソースが豊富にあれば複数の課題を解決してもかまいません。しかし、リソースの限られた企業経営では、テコの効くような最も重要な課題を選び優先的に解決していくことが、問題解決の王道です。

3.解決策立案(How)

優先度の高い問題について解決策を立案します。なお「立案」、つまり具体的解決策を実行する前にしっかりプランニングを行うことが問題解決の基本です。解決策のプランニングでは、いくつか解決策アイデアを出した上で優先順位の高い解決策を選定します。

なお、抽象的なアイデアより具体的なアイデアの方が出しやすいものです。個別の具体的アイデアは重要ですが、アイデアを束ねる方針がないと焦点を絞った効果的な実行はできません。解決策立案では、「基本方針+具体策のセット」で考えることが重要です。

4.実行(Execute)

現実のビジネスの問題解決プロセスにおいてもっとも時間がかかり、もっとも資源投入が必要なのが実行フェーズです。そのため、実行前の3ステップ(問題定義>問題特定>解決策立案)においてしっかりプランニングを行い実現効果を高めておくことが重要です。

 

「DX時代の問題解決研修」プログラム解説

問題解決プロセスに従って3つのワークショップを行います。典型的なワークショップ例を次に示します。なお、それぞれのワークショップで扱うフレームワーク、サンプルプロンプトは、お客様企業の状況、テーマカテゴリによって調整します。

ワークショップ1:問題定義(What)

「誰の」「どんなジョブの」「どんな課題」という枠組みで、問題を定義します。顧客課題の問題解決で使える枠組みです。また、顧客を、自社社員に言い換えることで、業務改善テーマにも適用可能です。

DX時代の問題解決研修:問題定義のフレームワーク

問題定義のフレームワーク(ジョブと課題の整理)

また、ペルソナ(ターゲット顧客のうち特定の具体的な人物像)を想像して解像度を上げておくことで、次の問題特定が容易になります。

問題定義プロセスでの生成AI活用方法

ワークショップでは、ワークシートテンプレートとサンプルプロンプトを提供します。グループごとに初期テーマ案を元に、生成AIを使って顧客課題仮説を複数パターン出力。生成AIの原案を元にグループワークで問題定義を練り上げます。

ワークショップ2:問題特定(Where)

ワークショップ1で定義した問題を、カスタマージャーニーマップを使って解像度を上げます。

DX時代の問題解決研修:問題特定のフレームワーク(カスタマージャーニーマップ)

問題特定のフレームワーク(カスタマージャーニーマップ)

カスタマージャーニーマップでは、まず顧客体験をフェーズ分けします。そのうえで、顧客の行動を観察可能な事実として記載していきます。フェーズごとに顧客行動から想定されるジョブ(成し遂げたい進歩)仮説を設定します。フェーズごとのジョブに対応して、ジョブを成し遂げるための課題(Pain、顧客の不満)の仮説を記載します。

カスタマージャーニーマップで、問題を分解したら、解くべき重要な課題を一つ選択します。

問題特定プロセスでの生成AI活用方法

ワークショップでは、ワークシートテンプレートとサンプルプロンプトを提供します。生成AIを使ってカスタマージャーニー全体一式の原案を出力させます。カスタマージャーニーは分量が多く、人力ですべて作成するのは大変です。生成AIを使うことで、異なるパターンのカスタマージャーニーマップ全体を何枚も一度に出力して比較することができます。

ワークショップ3:解決策立案(How)

ワークショップ2で特定した問題の解決策を考えます。

DX時代の問題解決研修:解決策立案のフレームワーク

解決策立案のフレームワーク(基本方針と具体策)

解決策立案での生成AI活用方法

ワークショップでは、ワークシートテンプレートとサンプルプロンプトを提供します。生成AIを使って、課題仮説から解決策の仮説まで全体一式の原案を出力させます。生成AIを使うことで、異なるパターンの解決策アイデアを複数出力させて比較しベストな解決策原案を選択できます。改めて一式で出させることで、問題と解決策の論理的整合性がとれたアイデアになりやすいこともポイントです。

 

よくある質問(FAQ)

Q.研修で使う生成AIはなんですか?

A.ChatGPT、Geminiなどの汎用的な生成AIを想定します。なお、ワークショップで利用するサンプルプロンプトは、事前にChatGPT、およびGemini環境でテスト済みです。
※ お客様環境に合わせて研修設計を行います。生成AIの利用状況はお客様企業ごとに異なるため、研修前に環境を確認させていただきます。

Q.準備する受講者の環境はなんですか?

A.ワークショップ中に生成AIを利用します。そのため、1人1つの生成AIアカウント準備を推奨します。ワークショップでは、最低限1グループ1アカウントを利用します。
また、グループごとに画面共有できる環境が推奨です。

Q.受講者に必要な生成AIスキルはどの程度ですか?

A.プロンプトエンジニアリングなど高度な生成AIスキルは不要です。生成AI初心者でもかまいません。ただし、生成AIそのもののレクチャーは行わないため、ログイン方法、入力方法など基本的な操作方法は習得済みであることを想定します。

 

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依頼内容が固まっていない段階のご相談も歓迎です。「何から始めるべきか」「どの層から着手するべきか」「社内の温度差をどう埋めるか」など、現状の整理から壁打ち相手として伴走します。ヒアリング後、最適な進め方・対象・期間のたたき台をご提案します。

 

参考文献・出典

  1. 海老原一司. “問題解決プロセスにWhyはいらない(Whereがあれば良い)”(閲覧:2025年9月)
  2. 海老原一司. “問題解決プロセス活用のコツ|問題解決スキル”(閲覧:2025年9月)