開催概要
、株式会社デジタルトランスフォーメーション研究所代表の荒瀬光宏が、「第141回化学工業MIS研究会」にて「日本の製造業におけるDX成功の要諦」をテーマに講演しました。
本研究会は、企業の情報システム部門を中心に、最新のITおよびデジタルトランスフォーメーション(DX)動向を議論する場として長い歴史を持ち、製造現場から経営層まで幅広い参加者が集まりました。
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化学工業MIS研究会とは
化学工業MIS(Management Information System)研究会は、1950年代米国でブームとなったコンピュータを活用した経営情報システム(MIS)の研究を目的に、旭化成、住友化学、東亜合成、三菱ケミカル、日東化学工業の5社で発足し、半世紀以上続く老舗の研究会です。
1954年より年2回程開催し、2025年6月の研究会で141回目を迎えました。
講演要旨
世界的にデジタル競争力の重要性が高まる中、日本の製造業の競争力強化には、全体最適と部分最適の違いを理解し、単なる部分最適のデジタル化ではなく「全体最適」と「価値創造」を見据えた本質的なDXが不可欠であると荒瀬は強調しました。
DXとは「組織が変化し続けられる力を持つこと」であり、そのためには経営層から現場まで一枚岩になるビジョンの策定、データ活用を起点とした現場主導のPDCAサイクル、組織文化の変革、現場からの小さな成功の積み重ね、ベテランの知見・暗黙知のAI活用と仕組み化が不可欠であると解説しました。
- 経営層と現場の連携: トップダウンによるビジョン策定と、現場ニーズのボトムアップを融合させる。
- データ活用の実践: IoTやセンサーで収集した現場データを活かし、高速PDCAサイクルを回す仕組みを構築。
- 組織文化の醸成: DXリテラシーを高める研修や、失敗を許容しチャレンジを称賛する文化の定着。
- DXリーダーの育成と現場伴走: 小さな成功体験を重ねながら自走するチームを作る。
- 生成AI・アナログスキル活用: ベテランの知見をAIと組み合わせて全社知へ転換し、アナログスキル(観察力・歴史理解など)も同時に強化する。
国内外の化学メーカーやエンジニアリング企業のDX成功・失敗事例を示しつつ、「サイロ化」「全体最適化の困難さ」「現場DXと本社DXのギャップ」など、現場のリアルな課題や壁についても具体的に分析・解説しました。
さらに、変革推進のための4つのアプローチとして、次のポイントが紹介されました。
- 経営戦略に基づくDX戦略とDXビジョンを策定する
- DXリーダーを育成し小さな成功を積み上げる
- 現場主導のプロジェクトを通じて現実的な効果を体感する
- 生成AIを活用し知見継承を仕組み化する
まとめと今後
本講演では、日本の製造業DXで成果を出すためには、単なる技術導入や現場の自動化にとどまらず、「変化を続けられる組織力」と「人財・風土づくり」が鍵であることが強調されました。
特に、経営ビジョンと現場の現実をつなぐ“対話”の重視、現場起点での自律的な小さな成功体験の積み上げ、ベテランの知見や暗黙知をAI・デジタルで共有・仕組み化することの重要性が語られました。また、「現場のリアル」からしか見えない課題やギャップを組織全体で共有し、現場と経営が共にDXの意義を再定義し続けることが、最終的な“全体最適”に繋がるというメッセージが示されました。
デジタルトランスフォーメーション研究所では今後も、現場や経営のリアルな悩みや課題に寄り添い、企業の変革・人づくり・風土づくりを伴走型で支援してまいります。
デジタルトランスフォーメーション研究所のDX支援サービス
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